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第11回「地域創生論」 『南部美人の挑戦~岩手から世界へ~』が行われました

授業関係
6月20日は、二戸市の株式会社 南部美人の五代目蔵元、久慈浩介氏による講義でした。久慈氏は先々代からの販路を広げ、ついに世界市場への進出を果たしています。過去最高となった日本酒の輸出は同氏らがパイオニアとなって切り開いたものです。まず、マーケティングを含む、南部美人の「世界戦略」の考え方と同社の取組みについて紹介がありました。世界中への販路拡大を通し、久慈社長は日本の食文化(日本酒、和食)の特異性/特長に気がつきました。世界には様々な食習慣(キリスト教徒、イスラム教徒、ベジタリアン、ヴィーガン等)があるが、日本の食材は自然が基本で上記の食習慣に適する。その認証を得れば食のバリアフリー化のビジネスになる。その実践を地元のまちおこしに結びつけ「二戸市?フードダイバーシティ宣言」を行い、地元の活性化も牽引しています。またその次の展開でアレルギー体質の園児が皆と一緒に同じテーブルで食事を楽しめる One Table Day の活動の開始も紹介がありました。
 『人口減少に喘ぐ日本では国内消費は確実に減っていくが、世界に目を向ければ人口は増えており、「日本酒を飲んでみたいと思う人」は確実にいるはずである。世界で売っていくためには、日本酒を「知ってもらう」ことがまずは必要。「舌で味わってもらう」前にまず「頭で味わってもらう」という(文化的)戦略が必須であると考えた。その為に最初は日本酒、そして後年は南部美人の知名度?認知度向上のために、試飲会、セミナー、他業種とのコラボ企画(例えば、蔵オリジナルTシャツのユニクロによる製造販売)等々のあらゆる努力を行った』とのことでした。その数々の事例が紹介されました。
その過程で世界の食習慣、食文化に適する認証制度を取得。動物由来の食べ物を食べない、食べられない人向けに「ヴィーガン」認証を取得し、地元二戸市では、まちおこしとして町ぐるみでこの取組を行っています。日本酒は米と水だけからつくられるヴィーガン食品です。世界には6億人がヴィーガン+ベジタリアンといわれています。この認証を活かし「二戸市 フ―ド?ダイバーシティ宣言」を行い、食の多様性の町としての発展を実践しています。これは差別化で市場価値化するというマーケティング活動です。この事例は、マーケティング(ビジネス)、まちづくり(地域再生)、社会運動(変革)の三位一体的な取り組みであり、「地域創生論」に相応しい示唆に富む内容でした。また、それの更なる展開で食アレルギー体質の人達(園児)が皆と一緒の食卓を囲み、食事を楽しめる様にするOne Table Day 活動の事例紹介もありました。
最後に、地方の小さな会社でもオンリーワンの商品ならば世界を相手に商売することが可能。世界では日本の伝統文化こそが『「オンリーワン』となりえる。会社の規模の大小ではなく、価値の大小を世界は見ている。真の地方創生、地域創生は伝統文化からであり、南部美人は岩手(二戸市)にあってこそ光り輝き世界が注目する。世界を相手にしなければ狭い日本では生き残れない!と強調があり、「岩手のいいものをもっとたくさん見つけて欲しい。若い皆さんは失敗を怖れず、可能性を信じて進んで欲しい!」というメッセージで講義を終了されました。

写真1 左)岡田学長、右)久慈社長  写真2 講義風景
  

写真3 講義風景         写真4 講義風景