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第4回「地域創生論」 『地域主導でのエネルギー事業作り』が行われました。

授業関係
第4回(5月2日)は、紫波グリーンエネルギー株式会社、環境エネルギー普及株式会社の代表取締役 山口勝洋氏を講師として開講されました。山口氏は2004年から省エネ?再生エネ事業に携わっておられる、この分野の草分け的存在の第一人者です。長年の実績に基づく説得力のある講義でした。

中山間地でも小規模再生可能エネルギー事業がやれることを国内の先駆けとして市民出資型で長野や岡山で実現した。地域にお金がないわけではない。事業は一般的には規模の経済を求めるが、再エネ事業は違う。当初は小規模でもいいから件数をまとめ、ユーザーには初期投資ゼロで好ましいエネルギーを使えることを理解?納得貰えたことにより実現したと黎明期の工夫や苦労のお話があり本論に入りました。
「1.地域ぐるみ?数で広げる太陽光発電」では、実際の太陽光発電事業の長野県飯田市、岩手県葛巻町、紫波町での事例紹介がありました。紫波町では公共施設の屋根を市民ファンドの運営が可能な事業者に貸し出す方式をまとめ、建設資金は市民出資と信金融資により賄われました。これにより普及が大きく進んだそうです。また、その応用編として千葉商科大学の省エネ+(メガ)ソーラー事業の紹介もありました。また固定価格買取制度事業ではない一関市でのPPA(自家消費用電力買取契約)による事例の紹介もありました。太陽光発電事業は大規模ではなく地域主導で身の丈に合ったものでやれる。地域が再エネに取組む第一歩としてはやりやすいという特長があるとのことでした。
次に「2.一定数で地域インフラとなれる小型木質バイオマス」の説明がありました。地域内のサプライチェーンの組み立てが太陽光と比べ格段の複雑になるが、地元関係者の関わりと石油系燃料の直接的代替になるので経済効果は大である。紫波町オガール地区での地域熱供給事業、宮城県気仙沼の宿泊施設、紫波町/花巻市の老健施設での熱電併給事業の紹介がありました。いずれの事業も国内におけるパイオニア的事業です。その地道な取組み内容が実績を元に紹介され、いかに稼働率を上げるか、運営管理体制の地場化を図るのか、その要点につき教示がありました。地域経済効果のからくりや林業との関係にも触れられ、木質バイオマスは熱(熱電併給)利用であれば、地域森林資源の持続的利用で賄えるとのことでした。
最後に「3.大きな話しには要注意!表と裏を読む」ということで、大規模な発電専用の木質バイオマス利用には合理性はない(大量の熱捨てでエネ効率低い、森林資源の保続性に懸念(国/県方針))との指摘がありました。木質は持続可能な範囲で森林整備とセットで利用すべきものである。木質利用は小型分散型が適している。地域が自ら考え、身の丈で自立することがポイントである。日本では大企業による集中型エネルギー供給や化石燃料を減らす手段としてのアンモニア発電が喧伝されているが、欧米諸国の見方はことなっている。エネルギーの世界は表向きと裏がある。日本国内だけの情報は歪んでいるものがある。それを見抜くことが必要、と学生への喚起で講義を終了されました。
質疑では、「バイオマス材の確保は短周期伐採で対応できないか。」、「チップボイラーは外国製だけか、国産があれば望ましいのでは。」、「紫波町での再エネ事業で町全体の如何ほどがカバーされているか。」、「太陽光発電設備の耐用年数や廃棄処理には問題はないのか。」等があり講師から丁寧な回答がありました。

写真1 左:岡田学長   右:山口社長



写真2  授業風景



写真3  授業風景    



写真4  授業風景