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第14回「地域活性化論」 「地域の活力の源は何か。自分たちの魅力を生かす。」と「信用金庫の地域活力づくり~花巻信用金庫の取り組み~」が行われました

授業関係
12月21日は上町家守舎の小友康広社長と花巻信用金庫の漆沢俊明理事長を講師としてお迎えしました。

 小友社長は40歳、実家は創業118年の老舗小友木材店、その4代目です。大学卒業後の就活時、家業を継ぐことを感じながらも別業界での修行を決意し、あえて東京の小さなIT企業に就職しました。いずれ木材店の経営者になるのだから修業には小さな企業が良いと決断。この企業の発展を自らで牽引し研鑽を積みました。今でもそのIT企業にも在席し、実家の木材店、花巻家守舎(花巻駅前のリノベーションまちづくり会社)、上町家守舎(同上町のリノベ)、音楽フェス運営等と花巻と東京で6社を経営中のパラレル経営者です。講義は、今の時代に有効なビジネス手法の「リノベーションまちづくり」についてでした。「リノベまちづくり」とは、特定エリアの遊休不動産を活用し、統一ビジョンを掲げ、共感し集まる人&働く人を増やす事業です。家守とは江戸時代の制度で地主?家主に代わって所有地を管理した町方をいいますが、家守舎(会社)はその現代版で「まちづくりを推進するはエリアプロデュース集団」です。2015年4月に花巻家守舎を結成し、「花巻駅前をチャレンジする大人が集まるまちへ」を統一ビジョンに事業を開始。物件の第1号は小友ビル1階のレストランでした。2016年3月マルカンデパートが閉館。地元高校生から始まったマルカン大食堂を残して欲しいという署名運動(1か月で約1万人)の期待に応えようと、「マルカン食堂を可能な限りそのまま残す」、「上町を花巻の産業が育つまちに」を統一ビジョンに更に2016年6月に上町家守舎を設立。上町家守舎はマルカン大食堂の再開、B1階のDPRTMENT SKATESHOP&PARKを設立運営、2階には花巻おもちゃ美術館を誘致しています。リノベまちづくりは、まちのコンテンツづくりであり、最大のコンテンツは「人」ということを教えていただきました。最後に「地方創生って何だろう?」という発問でアメリカ?オレゴン州ポートランド市の素晴らしい事例紹介がありました。「暮らしている人が幸せ」、「人間の幸福と健康は『いい人間関係』にある」、そして「経営力×ITで自分の仲間の暮らしを楽しくする!!」それをやっていると説明され講義を終了されました。

漆沢理事長の授業は、信用金庫の位置づけ、信用金庫と銀行の違い、信用金庫の3つのビジョンの解説から始まりました。信用金庫には相互扶助の「報徳思想」があり、この思想は今も信金の業界に根付いているとの解説がありました。続いて花巻信用金庫の概要、基本理念(地域経済の健全な発展と豊かな暮らしの実現)と基本方針(地域内の中小企業ならびに地域住民の金融の円滑をはかり、もって地域社会の反映に貢献し、日本経済の発展に寄与する)について説明がありました。次に具体的な取組みとして「1.花巻 夢?起業家塾」、「2.お客様の販路拡大支援」、「3.交流人口増加への取組み」、「4.花巻市との包括連携協定」、「5.東北大学との連携」、「6.富士大学との連携」、「7.成年後見サポートの取組み」を挙げられ、その内容の紹介がありました。本学との連携では平成28年度から「地域金融論」、そして本年度から「企業家育成論」が提供講座として開講されています。漆沢理事長の経営姿勢と実行力に多くの学生が驚きと感銘を示しました(レスポンカードより)。この「地域活性論」の民間講師の殆どが「夢?起業家塾」の出身者であり、この事実が花巻信用金庫の素晴らしい活動を現わしています。最後に「地域活性化への想い」と企業家に必要な四つのキーワード、「夢?志」、「感動」、「連携」、「相互支援」を事例に結びつけての説明がなされ、説得力のある講義を締めくくられました。

講義終了後の質疑では、「事業の当初目論見と結果の相対的評価はどうか」、「花巻にしかない、~ならでは、~ならこそは、どうしたら発見&実現できるのか」、「信金が評価する花巻のリノベの特徴は何か」、「リノベが進展した先の花巻はどんなまちになっていると想像しているのか」、「どうやったらまちづくりの主体者を増やせるか」などがあり、講師から含蓄のある丁寧な回答がなされました。

学生の授業レスポンスカードには
?「偶然やってくる必然を捕まえる」という言葉を聞き、行動が大事とわかりました。
?とりあえずやってみる事で、いろいろな巡り合わせ等がでてくる。挑戦は大事だ。
?二人の話にお互いのリスペクトを感じた。だからこそ生まれたビジネスだと感じた。
?この講義(地域活性化論)でもっとより花巻を知りたくなった。これから花巻の人たちと
沢山接していきたい。
?地域活性化の支援には様々な方法があり身の回りに支えてくれる人や企業があると知っ
た。
?マルカンを復活させたような地域創生のやり方が地方には必要だと思う。
?「花巻って何かあるの?」と聞かれたら「実際に来てまちを見て下さい」と言えるほど素
晴らしい場所であると胸を張って言えると思います。魅力を発信していきたいです。
?地域活性化は大事だが、あまり推し過ぎると地域住民は離れていくと思った。人の心を掴
むこと、宣伝しまくることが大事。
?お二人から大人の熱意が伝わった。
などがありました。



写真1  左から: 漆沢理事長、小友社長、遠藤教授、吉田教授



写真2 小友社長講義



写真3 漆沢理事長講義



写真4 質疑応答