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第11回「地域活性化論」 『花巻市における脱炭素に向けた取組』と『森の電力(株)の地域脱炭素への取組』が行われました

授業関係
11月30日、花巻市市民生活部生活環境課主査の久喜真吾氏と森の電力㈱代表取締役の久保好孝氏を講師としてお迎えし「脱炭素への取組み」についてお話しいただきました。

 久喜氏は環境計画係で、地球温暖化対策?再生可能エネルギー促進?環境学習推進などを担当しています。講義は、「生活環境課の紹介」、「地球温暖化とは」、「花巻市の取組―第3期花巻市役所地球温暖化対策実行計画の概要(2021年3月策定/2021~2030年度の10年間)」についてでした。この計画で花巻市は全ての市の組織や施設での燃料と電気を使用する際に発生する二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量削減に努めています。2022年度花巻市役所の温室効果ガス排出量の実績について詳細な説明がありました。
この第3期の最終年度(2030年度)の目標は-40%削減(2013年度比)です。これまで13年間をかけ-36.48%(2022年度実績値)までになっています。市内全ての小学校、中学校の契約電力事業者を、東北電力から花巻銀河パワー(花巻バイオマス発電所の売電部門)に変更することで、利用電力の二酸化炭素排出係数を大幅にダウンしたと解説があり、木質バイオマス発電の効用を示されました。また市は施設のLED照明への更新も進めておりdafabet手机版,dafa888bet黄金版4年3月には街路灯の大部分のLED化を完了しました。具体的事例では、市道宮澤賢治記念館線(あの上り坂道)の地中熱を利用したロードヒーティングシステム、市内事業者の取組としてサンライズ産業㈱花巻支店の太陽光発電システムの紹介があり、この紹介で講義を締め括られました。

 授業後半は、久保氏から「バイオマス電力事業の意義とその仕組み」、「森の電力(株)の関わる全国のバイオマス発電所紹介」、「同社による富士大学へのバイオマス電力の供給実績」等について講義をいただきました。バイオマス電力事業(電力小売り)は林業の6次産業化に結びつき、脱炭素にも寄与しているとの解説がありました。本学は、同社からのバイオマス電力で年間432t(dafabet手机版,dafa888bet黄金版3年度)のCO2発生量を削減(ちなみに花巻市役所の2022年度の総排出量は年間1140t)しています。これまでの6年間で約2700t以上のCO2削減に貢献しており、富士大学は再エネ電力の地産地消によるエコキャンパスの運営を行っていると紹介されました。続いて、新たな取組としてバイオマスボイラーによる熱供給事業((株)岩手ウッドパワーESCO事業による富士大学学生寮への熱供給)の説明がありました。このボイラーは本年6月から稼働しています。LPガス、灯油ボイラーからバイオマスボイラーに置き換えたことによる経済面と環境面のメリット分析が示されました。6月から10月(熱需要低迷期)での経済効果は月額40~60万円、環境効果(減少CO2排出量)は月1.0~1.4tという実績でした。11月の速報値(気温?水温の低下、第二陸奥寮の床暖房開始による熱需要増加により)は80万円、2.3tと跳ね上がっています。
バイオマス発電は木が持つエネルギーの25-30%程度しか電力になりませんが、熱利用では80-90%が熱(湯)に変換できそれを利用できます。熱利用の方がCO2の排出削減効果大です。それを世に問いかけたいとのお話しでした。続いて、次世代を担う若者に知って欲しい「温暖化問題を語る時にあるよくある誤解」、デジタル化/DX社会/SNSの一層の進展によるデーターセンターの大電力消費問題、ペーパーレス化と森林の関係、太陽光発電のあるべき姿、再エネのライフサイクルやサプライチェーン、環境アピール(グリーンウォッシュ)、CO2吸収源としての森林の価値等について解説があり、最後に「目指さなければならないのは炭素制約社会。出来るだけCO2を出さないようにすべき。だが出さないわけにはいかない。CO2の吸収をもっと真剣に考えるべき。ビジネスの観点でも森林はポテンシャルを持っている。バイオマス熱利用はその極一部である」と講義を終了されました。

 講義終了後は、地域連携推進センター主催の「地域活性化論研究会」を開催。久喜主査、久保社長、伊藤ケイ子氏(花巻市文化会館館長)、本学教職員3人の参加で、授業振り返り、情報交換、意見交換を行いました。

学生のレスポンスカードには
?dafabet手机版,dafa888bet黄金版はバイオマスボイラーに支えれている。エコキャンパスとしてもっと誇っていくべきだ、と思った。
?私の地元の紫波町でも木質バイオマスによるエネルギー供給が行われており上手くいっている。この取組みこそが“循環型のまちづくり”であり、もっと広まればいいと思った。
?カーボンニュートラルの正しい意味を知ることができた。
?林業の6次産業化について詳しく知らなかったので勉強できてよかった。
?地球温暖化により、私に起こる危機や悪影響などをしっかり理解するべきと思った。
?バイオマスボイラーは花巻という地、大学という条件があるからこそ活用できている。普
段の生活に利用するにはどのような改善、使用方法があるのか疑問に思う。
?改めてCO2排出、そしてそれによる地球温暖化の進行について考え学んだ。今日からち
ょっとした意識でもいいから今後につなげていきたい。
?地球温暖化に対しての知識で勘違いしていることが結構あった。正しい知識を知れよかっ
た。
?企業を見る時、就活する時、グリーンウオッシュでないか見極めるようにした方がいいと
思った。(カーボンニュートラルに対しても)。
などがありました。



写真1 左から遠藤教授、久保社長、久喜主査、伊藤館長



写真2 久喜主査 講義



写真3 久保社長 講義



写真4 授業風景



写真5 地域活性化論研究会