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第12回「地域創生論」 『知ることから始めよう! 食?くらしを守るための消費者運動』が行われました

授業関係
6月29日の講義は、岩手県生活協同組合連合会専務理事の吉田敏恵氏を講師として開催されました。みやぎ生協、いわて生協、岩手県生協連にて取り組まれてきた活動にもとづき以下の3項目について話されました。

1. 消費者運動とはなにか。
 消費者運動とは、「消費者問題の解決?防止と消費者の権利の確立を目指す社会的運動のことで、消費者自身による消費者のための運動であり、運動の変遷につき解説された。戦後から1960年代までは生きるための運動、60年代の高度成長期には大量生産?大量販売への歪みの是正(安全や公害?環境問題)、経済成長の負の側面へ警鐘をならした。1970~2000年は「市場開放?規制緩和」「バブル景気とその崩壊」への対応。2000年以降は経済の低迷と相まった企業倫理の崩壊や不祥事に対する消費者の権利を求める運動が続いている。本来経済とは「経世済民(世をおさめ、民を救う)」であるべきだが現実はそうはなっていない。企業の利益だけが優先され、暮らしへの影響や人権、消費者の権利が軽視されている。世界人口の1%の富裕層が残り99%の人々の資産より大きいなどの不公正な状況が「グローバリズム」と、「新自由主義」で出現しており、それへの対抗や是正が消費者運動である。

2.食やくらしをめぐり起こっていること
消費者の権利を8つに大別し、それぞれの視点から、その権利が尊重されているかの吟味が示された。今起こっていることは、「食品価格の記録的値上げ」、「食料確保への不安増大(日本は先進国で最低レベルの食料自給率)」、「食品の安全規制が弱い(成長ホルモン剤、残留農薬、遺伝子組み換食品、ゲノム編集食品)」等であり、特に遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品の問題点について詳細な解説があった。

3.消費者や生活者に何ができるだろうか。
生協として、個人としてできることの紹介があり、個人が出来る下記7つの推奨がありました。①食の安全、安定確保に関心を持つ。農業や第1次産業の大切さを考える。②エシカル消費をする。③できるだけ自分で料理する。④自分の利用するお店に商品に対する要望や意見を伝える。⑤パブリックコメントを出す。⑥地元産、県産、国産を購入する。⑦地域農業?食の安全を守る自治体?県行政にしていく(選挙すること)。

結びに、権力を持つ人が、自分たちに都合のいい施策や政策をすすめる際に最も都合がいいのは「国民が無関心なこと」、「なんでも容認」し「すぐ忘れること」。なので「わからせないように」、「説明しないように」、「ごまかし」たり、「目をそむけ」たり、「いいことだけを伝え」たりする様にしがちである。黙っていて向こうから消費者の権利がやってくることはまれ(これまでの経験から)。消費者の権利を守れと主張する(「綱を引く」ことが消費者運動。まずはその為に私たちがなすべきは「知ること」、「関心をもつこと」と講義表題を強調され講義を結ばれました。
 講演後の質疑応答の際には、「食料自給率」や「食育」、「食の安全」等の質問があり、丁寧な応答がありました。多くの学生が「知ること」、「関心を持つこと」の大事さと重要さを自覚した示唆と含蓄に富む講義でした(授業レスポンスカードより)。


写真1 左: 吉田専務理事   右:岡田学長    


写真2 授業風景 


写真3 授業風景