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第8回「地域活性化論」 『Smart Agriculture in HANAMAKI City 花巻市のスマート農業の推進に係る取り組みについて』が行われました

授業関係
 11月10日、花巻市農林部農政課主査の藤沼一志氏と農場組合法人リアルの代表理事の新渕伸彦氏を講師としてお迎えし、花巻市で推進されているスマート農業の取り組みについてお話しいただきました。

 花巻市の農業全算出額は151億円で東北市町村順位は第20位、うち米は78億円で第10位、また小麦の作付面積は第1位(平成27年)と農業の盛んなまちでもあります。県の中央に位置し、西側には奥羽山脈、東側には北上高地の山並みが連なり、その間を北上川が流れる肥沃な北上平野に位置しています。この地理的な特長(平野である)を活かして取り組まれているのが、日本一といわれているスマート農業の実践です。その特徴について講義をいただきました。

 花巻の農業の大きな課題の一つは経営体数の減少です。現在の約4000が10年後には約3000と予想されています。それに対応する省力化、低コスト化の実現を目指しているが花巻のスマート農業です。そのきっかけは、「これからはスマート農業が必要ではないか。それにはGPS基地局の設置が出来ないだろか。」という一人の農業者の声から始まったそうです。
 
講義はまず、「花巻市にはなぜ田んぼや畑が沢山あるの? 農地に建物は建てることはできるの? なぜ農地にはそんなに厳しい規制がかかっているの? そんなに農地を大事にするのには理由があるの?」という藤沼主査のQ&A的な解説から始まりました。続いて、「花巻市の農業の現状と課題」、「スマート農業推進に向けた取組(基地局の設置とその仕組み、生産革新実証事業、実演会?シンポジウム?体験会開催、動画による実機の紹介等)」、「スマート農業の課題と現状」、そして「今後の農業における活用」について分かりやすく説明いただきました。市内にある1.58万haの田んぼの内3千haが、68の経営体によるスマート農業という実績は、日本一とのことであり、先進先導地域として多くの視察者を受け入れるまでになっているとの紹介もありました。本講義について多くの学生が、「人間の生活の根源に関わる内容であり、農地や農業に関する見方がかわった」という感想を寄せておりました(授業レスポンスカードより)。

 続いて、スマート農業での営農の実態について農事組合法人リアルの新渕理事から紹介いただきました。新渕理事(札幌市出身)は、24年の農業経験をお持ちで、8年前39歳の時に会社(農事組合法人)を設立されました。自社事例として10haの畑で春植えの玉ねぎ(北海道産は秋植えで競合しない)を栽培し、加工用玉ねぎをサイゼリア、ココス、ビッグボーイ、ハウス食品?味の元(冷凍餃子用)等に直売していること、農産物の販売ルートや田んぼ水位管理システムfarmoの利用や6次産業化への取組等について紹介されました。また、農事組合法人(農業の法人的経営)の仕組みやその普及の意味?意義につき、花巻市は集落営農が残っていたことで法人化が進みやすい土地柄であり、行政の支援もあってこの取組が進んだとの解説がなされました。
 最後に会場から、「スマート農業は普及率でみれば高くないのではないか」、「農事組合法人の中身の吟味、今後の動向とその行政支援の関係をどう考えるのか」、「花巻は小規模な兼業農家が多い。その支援との関連は」等の質問があり、藤沼主査から丁寧に回答いただきました。
 
 講義終了後は、地域連携推進センター主催の「地域活性化論研究会」を開催しました。講師2名、本学教職員4名で、授業の振り返り、情報交換、意見交換を行いました。

写真1  左から 新渕理事 藤沼主査 遠藤教授


写真2  授業風景  藤沼主査


写真3 授業風景 新渕理事


写真4 授業風景


写真5 授業風景 質疑応答


写真6 地域活性化論研究会