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第11回「地域創生論」 『南部美人の挑戦~岩手から世界へ~』が行われました

授業関係
 6月23日の講義は、株式会社南部美人の五代目蔵元、久慈浩介代表取締役社長を講師として開催されました。氏の祖父の代に二戸から盛岡に販路を拡大、父の代に岩手から東京?全国区へ、そして久慈社長の代に世界市場への羽ばたきを実現したマーケティング戦略を始めとして、以下の事項についてお話戴きました。
 
1. 南部美人の蔵元紹介:漆の産地として有名な二戸市にある日本酒の酒蔵で、創業は1902年。国内外の新酒鑑評会やコンテストで多数の金賞実績があり、高品質の酒造りへの挑戦を続けている。2017年のインターナショナルワインチャレンジで、南部美人の「特別純米酒」が「チャンピオンサケ」、すなわち世界一の日本酒の称号を獲得した。「南部美人」は、アメリカ、イギリスをはじめ、世界55カ国へ輸出され、JALや全日空他航空会社のファースト?クラスやビジネスクラスを利用する世界のVIP向けにも提供されている。
2. なぜ、海外に挑戦するのか:日本の人口は減少し、日本酒の国内消費は確実に減ってゆく。しかし、世界に目を向ければ、日本の文化的価値が高まっている中で、日本酒を飲んでみたいと待っている人がいるはず。「日本酒で世界に挑戦しよう」と決断し、1997年10月に日本酒輸出協会を設立して、高品質日本酒の海外での普及と啓蒙に務めてきた。まずは「頭で味わってもらう」次に「舌で味わってもらう」ことで、日本酒の素晴らしさを伝えている。
3. 「ヴィーガン」の認定について:蔵元では、2013年にユダヤ教の食餌規定を満たす宗教上の許可「コ―シャ」を日本酒、リキュールの2種類で取得。宗教上、健康上の理由でヴィーガンメニューを必要としている人は、全体の対象者5000万人とすれば、40%の2000万人はいる。2019年には、日本酒では世界初の完全菜食主義者「ヴィーガン」の認定を取得した。二戸市は、「フ―ドダイバーシティ宣言」を行っており、食の多様性により、SDG’sの「誰も取り残さない社会」を実践し、それでの地域活性化(観光地として差別化)も目指している。
4. まとめ:地方の小さな会社でも、オンリーワンの商品ならば、世界を相手に商売することが可能。世界では、日本の伝統産業こそがオンリーワンとなりえる。会社の規模の大小ではなく、価値の大小を世界は見ている。世界を相手にして評価されなければ、狭い日本では生き残れない。

 講義の最後に、久慈社長から学生に向けて『岩手のいいものをもっとたくさん見つけて欲しい。若い皆さんは失敗を怖れず、可能性を信じて欲しい。』という力強いメッセージが発せられました。 久慈社長にはこの地域創生論に5年連続で登壇いただいていますが、そのマーケティング戦略は常に進化しています。来年の講義もご期待下さいとの事でした。