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第14回「地域活性化論」 「地域の活力の源は何か。自分たちの魅力を生かす。」と「地域の魅力を活かすリノベーションまちづくり」が行われました

授業関係
12月24日は花巻温泉株式会社の佐藤寿美取締役営業部統括部長と花巻家守舎の小友康広社長を講師としてお迎えしました。

 佐藤さんには本学で観光産業論も講義していただいております。岩手の観光業界を支えているキーパーソンです。新卒で花巻温泉㈱に就職され「花巻温泉」を中心に「花巻市」や「岩手県」を国内や世界の国々にプロモートしてきた方です。
 花巻温泉株式会社は、95年前に金田一國史氏の「花巻に東北の宝塚を…」という理念のもと地域活性化の一大事業としてスタートしました。その創業の志の企業DNAは継承されています。「地域活性化」は佐藤さんのビジネス姿勢に現れており講義を通し教えていただきました。花巻温泉㈱はローカルな地にありながら、国際興業グループの子会社である京屋グループを通じてシェラトン?ワイキキ、パレスホテル?サンフランシスコ等々の海外のホテルや日本の富士屋ホテル等とつながっています。そのホスピタリティやマナースタイル、運営ノウハウはワールドクラスです。花巻温泉ではコロナ禍での来客者数の減少の期間を設備更新の絶好の機会と捉え多くの改修工事を行いました。ホテル花巻(卓球場&ランドリールーム)、紅葉館(フォレストテラスバンケットホール)、佳松園(浴槽美化改修)等で実施しました。その紹介があり続いて、経営理念、行動方針、ビジョンづくりの解説がありました。経営資源のヒトに関し、富士大生に「在学中に花巻温泉の寮に住みながら学んでみませんか(学業とホテルでの技能実習の両立)」という提案もあり学生の目が輝きました。労使の相互信頼と相互責任の構築や来客者への花巻市のPR(まちなか施設の積極的紹介)等の経営戦略の解説がありました。さらに、最近台湾との観光のプロモーションの再開の紹介では花巻空港での富士大生のボランティア活動(送迎ホスピタリティ)が想起されました。また大事にされている言葉「古来より、門構えより、店構え。店構えより、心構え。」、「若くなければできないことがある。ただし、年をとらなければ分からないこともある。」、「地域は様々な年代が混在共存している。皆で一緒に考えよう。」、「不易流行が大事」には多くの学生が反応を示しました(授業レスポンスカードより)。そして最後は「観光産業は総合産業、感動産業、人脈産業、乾杯産業!!」であるとを熱く語られホテルマンスピリット満載の講義を終えられました。

 小友さんは佐藤さんと同じく花巻市出身で22歳後輩になります。実家は創業117年の老舗小友木材店、その4代目です。大学卒業後の家業を継ぐことを感じながらも別業界での修行を決意し、あえて東京の小さなIT企業に就職しました。大企業に就職したのでは仕事の成果が自分の実力か、その企業の力によるものか曖昧となる。いずれ木材店の経営者になるのだから修業には小さな企業が良かった。この小友さんの発想に多くの学生が驚きました(レスポンスカードより)。現在も二足(どころか多足)の草鞋を履いており、そのIT企業、実家の材木店、花巻家守舎(花巻駅前のリノベーションまちづくり会社)、上町家守舎(同上町のリノベ)、音楽フェス運営等花巻と東京で6社を経営中のパラレル経営者です。
 講義は、今の時代に有効なビジネス手法としての「リノベーションまちづくり」についてでした。「リノベーションまちづくり」とは、特定エリアの遊休不動産を活用し、統一ビジョンを掲げ、共感し集まる人&働く人を増やす事業です。家守とは江戸時代の制度で地主?家主に代わって所有地を管理した町方をいいますが、家守舎(会社)はその現代版で「まちづくりを推進するはエリアプロデュース集団」です。2015年4月に花巻家守舎を結成し、「花巻駅前をチャレンジする大人が集まるまちへ」を統一ビジョンに事業を開始。物件の第1号は小友ビル1階のレストラン(第7回講義のあの高橋亮さんがDIYでつくったあのお店!!)でした。2016年3月マルカンデパートが閉館。地元高校生から始まったマルカン大食堂を残して欲しいという署名運動(1か月で約1万人)の期待に応えようと、2016年6月に「マルカン食堂を可能な限りそのまま残す」、「上町を花巻の産業が育つまちに」を統一ビジョンに更に上町家守舎を設立。上町家守舎はマルカン大食堂の再開、B1階のスケートボード場&ショップを設立運営、2階の花巻おもちゃ美術館を誘致しています。リノベまちづくりとは、まちのコンテンツづくりであり、最大のコンテンツは人であるということを教えていただきました。
最後に「地方創生って何だろう?」という発問を学生に向けられ、アメリカ?オレゴン州ポートランド市の素晴らしい事例紹介がありました。「暮らしている人が幸せ」、「人間の幸福と健康は『いい人間関係』にある」、そして「経営力×ITで自分の仲間の暮らしを楽しくする!!」それをやっていると説明され講義を終了されました。

 講義終了後は、地域連携推進センター主催の「地域活性化論研究会」を開催。小友社長、佐藤取締役、伊藤ケイ子氏(第9回講師)、照井智子氏(第12回講師)、教職員4名の参加で、本授業および今年度地域活性化論の全体的振り返りと反省?情報交換?意見交換等を行いました。