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第13回「地域活性化論」 『地域の魅力を活かすリノベーションまちづくり』と「地域の活力の源は何か。自分たちの魅力を生かす。」が行われました

授業関係
 12月23日は花巻家守舎の小友康広社長と花巻温泉株式会社の佐藤寿美取締役営業部統括部長を講師としてお迎えしました。

 小友さんは花巻市出身、実家は創業116年の老舗小友木材店の4代目です。就活時に別業界での修行を決意し東京のIT企業に就職。しかもあえて小さな企業を選び、その企業の発展に自らで関り東証1部上場や海外進出も経験しました。大企業に勤めたのでは、その事業の成果は自分の実力によるものか、その企業の力によるものか曖昧となる、個人としての実力をつけたいので小さな企業に就職したという、この小友さんの発想に多くの学生が驚きました(レスポンスカードより)。現在もそのIT企業に勤めながら、実家の材木店、花巻家守舎(花巻駅前のリノベーションまちづくり会社)、上町家守舎、音楽フェス運営など花巻と東京で6社を経営中のパラレル経営者です。
 講義は、今の時代に有効なビジネス手法としての「リノベーションまちづくり」についてでした。リノベとは、特定エリアの遊休不動産を活用し、統一ビジョンを掲げ、共感し集まる人&働く人を増やす事業です。家守とは江戸時代の制度で地主?家主に代わって所有地を管理した町方をいいますが、家守舎(会社)はその現代版で「まちづくりを推進するはエリアプロデュース集団」です。2015年4月に花巻家守舎を結成し、「花巻駅前をチャレンジする大人が集まるまちへ」を統一ビジョンに事業を開始。物件第1号は小友ビル1階のレストラン(前々回の活性化論講師のあの高橋亮さんのあのお店!!)でした。2016年3月に飛び込んだのがあの衝撃ニュース、マルカンデパートの閉館でした。地元高校生から始まったマルカン大食堂を残して欲しいという署名は1か月で約1万人になりました。地元の期待に応えるのが家守舎です。2016年6月に「マルカン食堂を可能な限りそのまま残す」、「上町を花巻の産業が育つまちに」を統一ビジョンに上町家守舎を設立し、6階マルカン大食堂の再開、B1階のスケートボード場&ショップ、2階の花巻おもちゃ美術館開館、近隣老舗ぎょうざ店 夜来香(いえらいしゃん)のマルカン大食堂への事業継承等の実現が説得力をもって紹介されました。リノベまちづくりとは、まちのコンテンツづくりであり、最大のコンテンツは人である――を教えて貰いました。最後は「こんな感じで楽しくやっています!」で授業を終了されました。

 続いては同じく花巻市出身で小友さんより22歳先輩の佐藤さんのお話でした。佐藤さんは本学の観光産業論でも講義していただいています。岩手の観光業界を支えているキーパーソン。新卒で花巻温泉㈱に就職後、佐藤さんは「花巻温泉」だけに限らず、「花巻市」を、そして「岩手県」を、日本と世界中にプロモートしてきた方です。まず、その職歴と地元での活動の紹介がありました。
 花巻温泉株式会社は、94年前に金田一國史氏の「花巻に東北の宝塚を…」という地域活性化の執念の一大事業としてスタートしました。創業の志はその企業のDNAとして継承されています。「地域活性化」というキーワードは佐藤さんのビジネス姿勢に現れており講義を通して、それを教えて貰いました。
 花巻温泉㈱は地方のローカルなホテルではなく、親会社(国際興業グループ)の子会社京屋グループを通じて世界の一流ホテル(シェラトン?ワイキキ、パレスホテル?サンシスコ等々)や日本のホテル(富士屋ホテル(株)、㈱ホテル鹿角等々)とつながっています。そのホスピタリティやマナーは互いに切磋琢磨され、その運営ノウハウはワールドクラスです。その強みを経営思想、行動指針、社員のモットー クレド「One heart, one mind」に生かしています。東日本大震災の時に花巻温泉の果たした役割につきNHKアーカイブ映像での教示があり、ホテルというインフラの重要性?有難さを初めて認識した学生も多数でした(レスポンスカードから)。続く花巻温泉ビジョンづくりの話は本講義題目「地域活力の源は何か。自分たちの魅力を生かす」に直結する内容でした。海外からのお客様を迎えるインバウンド推進に如何に取り組んだのか、台湾へのトップセールス、花巻空港での送迎活動(本学の関上ゼミ生も参加しています)などの苦労と手応えの実話紹介がありました。観光産業は「総合産業」、「感動産業」、「人脈産業」、「乾杯産業」である。古来からの「門構えより店構え」、「店構えより心構え」が大事を強調され、授業の最後は学生へのメッセージ「私たちは人生の使命として、今をどう実践するかを考える。大切なのは一人ひとりが未来を切り拓いて行こうという意識」、「若くなければ出来ないことがある。ただし年を取らなければ分からないこともある。社会は、地域は、様々な年代が混在して共存している。」で終えられました。


 授業終了後は、地域連携推進センター主催の「地域活性化論研究会」を開催。小友社長、佐藤取締役、花巻市市役所職員4名、学生3名、教職員3名の参加で、授業振り返り?情報交換?意見交換を行いました。


写真1  左から遠藤教授、菊地宏明氏(岩手県商工労働観光部 観光産業論講師)、
        佐藤寿美氏(花巻温泉)、小友康広氏(花巻家守舎)、関上教授


写真2 小友さん講義


写真3 佐藤さん講義


写真4 質疑応答


写真5 地域活性化論研究会