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関上マーケティングゼミ「第9回 森林とくらしを考える講演会とシンポジウム」に参加しました

授業関係
 2021年4月24日、稗貫教育会館2階ホールにて講演会とシンポジウム(主催:「森林とくらしを考える花巻市民の会」)が開催されました。

 当日の第一部は「新しい社会と森林?林業-新しい時代に向けて」と題する講演で、岡田秀二 富士大学学長が、主要な経済学の諸理論について学術的に紹介し、森林経営にいかにそれら理論を活かしていくべきなのか、また現在の森林行政を踏まえながらその点をわかりやすく解説されました。さらに、地球的環境問題の解決に向けて、森林は多くの役割を持っていること、その前提のもとに市民、国民の木質社会づくりが緊急にも大事であり、共通の認識にしたい、との呼びかけを行いました。
 第二部はフリーランス岩手移住計画代表の手塚さや香さんが、学生時代に岩手を訪れた体験を持ちながら、新聞社入社後の経験を積まれ、震災後は自らかつて訪れた岩手の地に貢献したいとの思いで、現在地域のまちづくりや地元企業の発展のためにどう自らかかわっているのかを話されました。現在、手塚氏は釜石地方森林組合でのコーディネーター(広報、研修受け入れ)、さらに復興庁「新しい東北」復興ビジネスコンテスト2020優秀賞に選ばれた「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」のツアー?ツーリズムコーディネーターとしても釜石を中心に携わっている事例も紹介され、岩手の奥深い魅力について熱く語られました。さらに、亀ケ森「亀林会」会長の若柳良明さんは、亀ケ森里山保全会の活動として、山桜植樹や、大沢山自然観察会などについて具体的に紹介され、話題を提供されました。

 本大学関係者として関上マーケティングゼミ農業グループからは昨年に続き高橋圭、田村哲郎の2名、遠藤ゼミから細越太陽、伊藤空翔の2名、地域連携の学生として佐々木優希および卒業生で西和賀森林組合から高橋一希さん(関上ゼミ卒業生)が参加されました。

 <農業ゼミの事前課題>
 コロナ禍後を踏まえ、花巻市の農林業が産業として成り立つためのマーケティングの手法並びに生産森林組合の立場とは何か、林業事業に関わる課題などを考え会議に臨むこととしました。
 <まとめ>
 〇当日の主な質問は以下の通り。
 岩手釜石に住まわれ移住計画に携わりコーディネーターをされているとのことですが、沿岸部と内陸部の住みやすさに違いがあるのか。沿岸ならではの特徴はどのようなものか。どのような方が移住されているのか、またその件数はどれくらいか。
 岩手県における森林の多様性の定義とは、どのようなものか。若者としてどのような意識と思考を持てば、林業の発展に貢献できるのか。
 持続可能な社会が重要視されているが、「環境」ではよく“食えない”と聞くがこの点をどのように考えればよいのか。
 「漁場は森林に守られている」という言葉をよく耳にするが、漁師さんと森林業者の協働活動について事例を紹介してもらいたい。

<全体を終えて>
 森林とくらしを考える花巻市民の会の方々を前に、学長は、様々な形で危機迫る今日の事情は、新たな社会形成の一歩となりうる内容が含まれており、その理解と認識転換が必要であることを指摘していました。
 また、手塚氏が岩手に住み働きながら気付くのは、岩手には豊かな自然などの魅力がたくさんあるのに、岩手に住んでいる方々がご自分の子供たちに魅力を語っていないのではないか、この点が気になっている、と語られた点は自然の魅力を語る上でも大切な指摘であり、大きな意義ある共通項を喪失している点ではないかと、日ごろから感じていることも重ねて賛同しました。
 さらに、今回「森林と暮らしを考える講演会」に参加して4年目になり、初めて富士大学と地元自治体の地域連携包括協定の地域人材育成プログラムの一環として富士大学に入学され4年間の学業を終え、地元の西和賀森林組合に就職した高橋一樹さんが、森林組合のメンバーの方々に若手のホープとして喜んでいただいたことは、富士大学の教育的使命である地元企業に貢献する人材育成の課題が具体的な形で実を結び成果として現れたことの証であったと思います。同時に、富士大学の教育的使命としての地域貢献の重要性、持続的社会における地方大学の使命そのための人材育成プロジェクトの一層の充実と継続性等が、より一層必要とされていることの確証をもって感じとることができた有意義な講演会であったと思います。

  
シンポジウムで講演する岡田秀二学長、手塚さや香氏、若柳良明氏

参考:『岩手日報新聞』2021.4.25県南版 及び『岩手日日新聞』2021.4.25一面 に、関係記事が掲載されています。