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第2回「地域創生論」が行われました

授業関係
 満開の桜が大学キャンパスを飾る4月15日、本年度第2回目の公開講座「地域創生論」が行われました。今回は北上市の髙橋敏彦市長を講師に迎え「東北を変える北上市の地方創生戦略~産業集積のDNAとあじさい都市~」とのテーマでお話していただきました。
 北上市は人口約9万2千人、北上平野のほぼ中央に位置する田園都市である。西に奥羽山脈、東に北上山系を擁し、北上川と和賀川が合流する肥沃な土地にある。江戸時代は北上川水運最大の河港集落であり、また奥羽街道の宿場町として栄えた。昭和に入ると工場誘致、産業振興に取り組み、東北新幹線や東北縦貫自動車道の整備により交通の要衝としてその地位を高め、現在北上市は、東北でも有数の産業集積地として名高い存在となった。髙橋市長は言う。この北上市を形作ったのは「北上人気質」であると。この地域の自然と歴史と人が育んだ「高いホスピタリティーと優秀なものづくり人材」、それこそが現在の北上市を形作ったものであり、北上市の「地域資源」なのであると。
 「あじさい都市」とは北上市の将来像のことで、「あじさい」の花でイメージされている。北上市の16の地域をあじさいの花にみたて、それぞれが守り育んできた自然や文化、コミュニティの絆を活かし、自立したまちづくりに取り組み、さらにこれらの地域が都市全体を支える核と結びつくことにより、北上市全体の魅力と活力の創出を目指すというものである。髙橋市長が強調をしたのは「まち育て」という考え方である。身近な地域資源を発見し、守り育てることによって地域を豊かにする活動のことをいう。その活動がやがて住民自身のその地域への「誇り」が醸成されていく。そしてそれがこれからの北上市をつくっていく。
 「景観十年」「風景百年」「風土千年」。髙橋市長は自らのまちづくりの理念をそう表現している。景観も風景も風土も、地域資源である。それが人と自然と歴史を介して一体のものとしてそこにはある。しかもその人も自然も歴史も地域を離れては存在しない。地域の資源は自然にそこに存在するわけではない。それは人をして、人と自然と歴史と地域が一体となる発見し、それを守り育むなかに生まれるものなのかもしれない。髙橋市長のお話をうかがいながら、そのような感慨をもった。